現代の若者は、新卒で企業に入社してもすぐに辞めてしまうと問題視されています。
これは別に若者がゆとり教育だから根性がないという精神論では片付けられない話で、時代の流れや働き方の多様化などにも大きな原因があります。
また、終身雇用といった働き方が当たり前ではないという考え方も普及してきているため、転職意識も強くなってきています。
新卒がすぐに辞めてしまう現代で、果たして高いコストをかけて新卒採用することは正攻法と言えるのかについて、しっかり考えていかなければなりませんね。
そこで今回は、新卒がすぐやめる今、最初から業務は外注した方が採算が合うのかについて解説していきたいと思います!
労働人口が減少している時代に常備スタッフ確保は至難の技!外部ソースをうまく使おう新卒の離職率の高さ
一昔前の日本では、新卒で会社に就職してから終身雇用で定年まで勤め上げるのが正しいとされていました。
自分にとって少々合わないと感じるような仕事でも、「石の上にも三年」という言葉を信じて、とりあえず3年は働いてみるのが良しとされていたのです。
しかし、最近マイナビニュースで発表された記事によると、高卒者の39.3%、大卒者の31.8%が、卒業してから3年以内に離職しているそうです。
新卒入社3年以内の離職率は大卒で31.8% – 2年ぶり減厚生労働省は10月23日、2015年3月に高校・大学等を卒業して就職した新卒者の離職状況を発表した。それによると、高卒者の39.3%、大卒者の31.8%が卒業後3年以内に離職していることがわかった。
出典:マイナビニュース
この結果が示す通り、今の若者にとって新卒で入った会社が自分に合わなかった場合、3年も働くことなくすぐに辞めてしまう割合が非常に高いです。
多様な働き方が認められてきていることもありますが、今の若者は年収やキャリアよりも、やりがいや人間関係、休日のライフスタイルなどを重視する傾向にあると考えられますね。
せっかく高いコストと時間をかけて新卒採用を行ったり、入社してからの研修費などを賄っていても、今の状況では企業にとってはとても採算が合わないでしょう。
そのため、ゆとり教育を受けた若者は根性がないという根性論で片付けるのではなく、新卒がすぐ辞めてしまう原因について真剣に考えて、策を練っていかなければならないのです。
ゆとり世代が社会人になった今、採用担当のゆとり世代との向き合い方若者の転職意識の強さ
では、なぜ今の若者は新卒で入社した会社をすぐに辞めてしまう割合が高いのでしょうか?
根性論ではないとすれば、何かしら原因がないと辻褄が合いませんね。
先ほど述べたように、今の若者は年収よりも
- 仕事のやりがい
- 人間関係
- 休日のライフスタイル
などを重視する傾向にあるのは事実です。
しかし、それよりも大きな要因として考えられるのは、政府の働き方改革による影響ではないかと考えられます。
働き方改革とは、2016年に安倍首相が「一億総活躍社会」を実現するために打ち出した施策です。
働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。
出典:首相官邸トップ
少子高齢化によって若い労働人口が減少していく中で、国民全員が働きながら活躍できる仕組みを作っていこうというもの。
そのため、女性や高齢者にも働き手として参加してもらったり、出生率をあげて未来の労働人口を増やしていこうという試みとなっています。
これにより、長時間労働を強いる会社はブラック企業として公開認定されたりするため、井の中の蛙になることなく転職を視野に入れる人が増えてきたと考えられています。
また、正社員と非正社員の待遇の差が是正されてきているので、個人事業主やフリーランスといった働き方も増えてきていますね。
業務を最初から外注した方が効率的なのか
ではそんな状況の中、企業は高いコストと時間をかけて新卒で正社員を雇うのではなく、最初から外注した方が効率的なのでしょうか?
結論から言いますと、全てを外注化しないにしても、新卒採用にかけるコストの幾らかはアウトソースに割いた方が効率的と言えます。
もちろん、会社の中核を担うようなコア業務に関しては、今まで通り外注化することなく社内の優秀な人間に任せるべきでしょう。
しかし、一般的に雑務と言われるようなノンコア業務に関しては、社外にアウトソースした方が明らかに効率的です。
新卒がすぐ辞めてしまう状況では、ただでさえ社内の人手が足りていない訳ですから、直接利益を生み出さないようなノンコア業務はどんどん外注した方が良しとされます。
ある程度マニュアル化できるような仕事に関してはどんどん外注化して、社内で行う仕事の多くをコア業務にした方が、若者の求めているやりがいも感じやすくなり高いモチベーションを保ちやすくなります。
やりがいを感じない若者の多くは、雑務ばかりをやらされているケースが往々にしてありますからね。
まずは社内の働き方・仕事の割り振りを変えていくことによって、新卒がすぐ辞めてしまう状況を改善していくべきなのです。
まとめ
今回は、新卒がすぐやめる今、最初から業務は外注した方が採算が合うのかについて解説しました!
教育と題して、新卒に雑務と言われるノンコア業務を行わせる企業が多いですが、そもそも雑務に生産性がない上に、教育コストはバカになりません。
さらに、新卒で入社した若者がやりがいを感じることができず、転職を視野に入れたり生産性が下がったりしてしまうことに繋がるのですから、何も良い効果を生み出しませんね。
そうであれば、新卒採用を頑張るよりも、雑務はアウトソースと決め切った方が採算が合うと言えるでしょう。
まずは社内の仕事をコア業務とノンコア業務に分別してみて、外注化できる仕事はどんどんアウトソースしていきましょう!